「古筆」カテゴリーアーカイブ

書蒼28年10月号 かな半紙

かな半紙の課題は初段から四段まで『高野切第三種』の臨書が続きます。10月号は歌番号987を学びました。

%e9%ab%98%e9%87%8e%e5%88%87%e7%ac%ac%e4%b8%89%e7%a8%ae987%e5%bd%a2%e8%87%a8

左:『高野切第三種』法帖  右:形臨

上の画像は大きさを調整しています。実際には120%の大きさで臨書し、提出しています。実際の比率は下のようになります。

%e9%ab%98%e9%87%8e%e5%88%87%e7%ac%ac%e4%b8%89%e7%a8%ae987%e5%bd%a2%e8%87%a8%e5%ae%9f%e9%9a%9b%e3%81%ae%e6%af%94%e7%8e%87%ef%bc%89

◇◇◇

後日、「古筆を学ぶ」の方で読みの勉強もする予定です。

「きょうの自運」はお休みします。

それではまた(^^)/

古筆をまなぶ 16 高野切第三種 984 あれにけり

『書蒼』8月号のかな半紙課題(歌番号984)をよんでおきます。

◇◇◇

%e9%ab%98%e9%87%8e%e5%88%87%e7%ac%ac%e4%b8%89%e7%a8%ae984%e5%bd%a2%e8%87%a82

左:『高野切第三種』法帖  右:形臨(稽古中のもの)

8月号はうっかりして競書提出分をスキャンし忘れてしまい、形臨は稽古途中のものを掲載しています。

今回は新出の仮名はありません。当ブログで一緒に変体仮名を学んでこられた方なら通読は問題ないと思います。

◇◇◇

よみひとしら

あれ尓介利 あれいくよの やとれや

みけむひとの とつれ毛世

よみひとしらす

あれにけり あはれいくよの やとなれや

すみけむひとの おとつれもせぬ

語釈

あれにけり  荒れ+に(完了)+けり(詠嘆) 「荒れてしまったなあ」

いくよのやとなれや  幾代の宿なれや 「幾代を経た住処なのだろう」

すみけむひと  住み+けむ(過去推量)+人 「(昔)住んでいたであろう人」

作者不詳

荒れてしまったことだなあ。ああ、いったい幾代を経た住処なのだろう。かつて住んでいただろう人の訪れることもない。

201610%e5%bb%83%e5%b1%8b

既習の変体仮名は通算51字で前回と変わりません(^^)

■■■■■

きょうの自運

20161021%e3%83%9a%e3%83%b3%e8%87%aa%e9%81%8b%e3%80%8c%e6%98%9f%e3%81%ae%e7%95%8c%e3%80%8d

※無窮の遠(おち)

硬筆書写検定の解答用紙(コピー)に書いています。

201610%e6%98%9f%e3%81%ae%e7%95%8c

『星の界(よ)』

作詞:杉谷代水  作曲:チャールズ・クロザット・コンヴァース

(原曲)『Erie(エリー)』

(2)

雲なきみ空に 横とう光

嗚呼洋々たる 銀河の流れ

仰ぎて眺むる 万里のあなた

いざ棹させよや 窮理の船に

それではまた(^^)/

書蒼28年9月号 かな半紙

かな半紙の課題は初段から四段まで『高野切第三種』の臨書が続きます。9月号は歌番号986でした。

%e9%ab%98%e9%87%8e%e5%88%87%e7%ac%ac%e4%b8%89%e7%a8%ae985%e5%bd%a2%e8%87%a81

左:『高野切第三種』法帖  右:形臨

古筆臨書の稽古法をいろいろと試行錯誤してきましたが、この頃はだいぶやり方が定まってきました。

やはり、最初にしばらくロール紙に書いてみるのがよいようです。つるつるのロール紙で、紙の摩擦が利用できない状態でしばらく書きます。法帖の原本もみながら、120%拡大コピーをすぐとなりに置いて臨書しています。

%e9%ab%98%e9%87%8e%e5%88%87%e7%ac%ac%e4%b8%89%e7%a8%ae985%e5%bd%a2%e8%87%a8%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%ab%e7%b4%99

120%の拡大臨書のあとに原寸大の臨書もしますが、提出は拡大版の方でよいということなので、前回からそうしています。

写真には写っていませんが、拡大コピーはもうひとつ150%というのを用意して傍らに置き、細部を観察しつつ臨書をしています。

◇◇◇

書道と水泳  書道も「ドリル」が必要

水泳ではよく「ドリル」というのをします。水泳の一連の動きの中から一部分を取り上げて、それだけを集中的に訓練するものです。たとえば、脚にプルブイという浮力のある道具をはさんで手だけでクロールをすることで、プル(かき)だけに意識を集中し、プルの技術を高めていく――といったことです。

水泳の動きというのは、人間が日常的にはとらない動作ばかりの組み合わなので、連続する動きのすべてを一度に覚えようとしても無理があります。そこで、動作をいくつにも分解して、一つ一つの動作を覚えていき、覚えた動作を組み合わせることで一つの泳法を身につけていくわけです。

この「分解ドリル」は書道でも必要な訓練法だと思います。かつては毛筆で字を書くというのは人間にとって日常動作の一つであったわけですが、今ではもう違います。同じ「書く」という動詞で表現していますが、硬筆で書くのと毛筆で書くのとは、かなり違った動きになりますよね。

日常動作としての「書く」動作と、毛筆書道のそれはかなり違っていますから、事情は水泳と似ています。動作を分解して覚えていく「ドリル」がやはり必要でしょう。

上の例でいえば「ひ」をまず何度も書いてみる。次に連綿になっている「とふる」を何度も書いてみる。そして「ひ+とふる」を書いてみる――というふうに、動作を分解して覚えていき、それを組み合わせていく――それが、遠回りのようで結局はいちばんの近道のような気がします(^^)

986は後日、「古筆を学ぶ」で読みの勉強もする予定です。

それではまた(^^)/

書蒼28年8月号 かな半紙

かな半紙の課題は初段から四段まで『高野切第三種』の臨書が続きます。8月号は歌番号984を臨書したのですが――、

実は今回、競書提出の前にスキャンしておくのをうっかり忘れてしまいました(^_^; しょうがないので、没にしたものの中でいくらかましと思えるものを載せておきます。

高野切第三種984形臨1

左:『高野切第三種』法帖  右:形臨

古筆の臨書をしてみるまでは、さらさらとなめらかに書いていくことが大事なのだろうと思っていたのですが、実際には、お手本の線から緩急を読み取ってメリハリをつける部分はつけなければならないなど、なかなか一筋縄ではいきません。

今回もしばらくロール紙に書いてから半紙での稽古に移りました。つるつるのロール紙の上だと、速度を落とさなければいけないところで紙の摩擦が利用できない分、処理がむずかしくなります。ロール紙にしばらく書いてから半紙に移ると、ほどよい摩擦に助けられて書きやすくなり、ちょっと腕が上がったような錯覚に陥ります(^_^;

高野切第三種984形臨ロール紙

ロール紙でまず稽古

120%の拡大臨書のあとに原寸大の臨書をしています。これまでは原寸大の方を提出してきましたが、提出は拡大版の方でよいと谷先生からお話があり、今回からそうすることにしました。

今回は新出の仮名はありませんが、後日、「古筆を学ぶ」で読みの勉強もする予定です。

当ブログではこれまでに通算51字を学んできましたが、『高野切第三種』ではあまり未習の仮名に出会わなくなっています。

■■■■■

きょうの自運

20160822ペン自運「浜千鳥」

硬筆書写検定の解答用紙(コピー)に書いています。

201608浜千鳥

『浜千鳥』 作詞:鹿島 鳴秋 作曲:弘田 龍太郎

(2)

夜鳴く鳥の悲しさは

親をたずねて海こえて

月夜の国へ消えてゆく

銀の翼の浜千鳥

それではまた(^^)/

古筆をまなぶ 14 高野切第三種 983 わかいほは

『書蒼』7月号のかな半紙課題(歌番号983)をよんでおきます。

◇◇◇

これまでこのブログで学んだ変体仮名はちょうど50字になりますが、このところ『高野切』や『粘葉本和漢朗詠集』では未習の変体仮名があまり出てこなくなりました。

201607既習変体仮名一覧

このブログで学んできた変体仮名。黄色は「変体仮名の復習」で取り上げたものです。

これまでに学んだ仮名を一覧にしてあるのですが、『高野切』『和漢朗詠集』では、「あ」「い」「う」「こ」など略化が相当に進んだ形、つまり、いま私たちが使っているのと同じ、あるいは相当に近い形しか出てこないものがあります。

すでに学んだ50字は登場頻度の高いものが多く、硬筆書写検定準1級~1級の受検対策としてはほぼ足りている感じもあるのですが、試験のためだけでなく、かな書道を学ぶ者として素養を深めていきたい――と思えば、やはりもっと変体仮名を知っておきたいところです。

というわけで、表の空欄を埋めていくために、出典にこだわらず、未習の仮名が使われている部分をいろいろな法帖から探してきて勉強する――そんなことも今後はやっていきたいと思っています(^^)

◇◇◇

では、今回の歌をよんでいきます。

高野切第三種983形臨

左:『高野切第三種』法帖  右:形臨(競書提出済)

新出の仮名は最初の一字「王」だけです。読みは[wa]です。

201607-1 983「王」

『かな字解』(関口研二・著)より

いつもお世話になっている『かな字解』によると、「王」は古い用例がみあたらないそうで、かな古筆の時代になって新たに加わった字母と思われる――とのことです。

上の『秋萩帖』はほとんど行書そのまま、他は草書の範囲を出ておらず、かなとしての略化はほとんど進んでいません。

◇◇◇

「王」以外は既習の仮名ばかりなので、一気によんでしまいます。

基泉(基撰)法師

王可本者 みやこの多徒み しか曽春无

よをうちやまと ひとはいふ奈利

わかいほは みやこのたつみ しかそすむ

よをうちやまと ひとはいふなり

201607百人一首983

はい、この歌は百人一首に収められておりますね(^^)

基撰法師は宇治山の僧で、六歌仙(紀貫之が挙げた優れた六歌人)のひとりでもありますが、詳しい経歴などは今日に伝わっていないようです。

語釈

たつみ 辰巳

201607-1 983「十二支の方角」

時刻・方角は十二支で表現されていた。「辰巳」は東南。

しかぞ  このように。「鹿ぞ住む」の掛詞説もあり。

うぢやま  宇治山 京都府宇治市の東にあり、現在は基撰山とよばれる。

世をうぢやまと 「憂し」と「宇治」の掛詞。

いふなり  この「なり」は終止形について伝聞や推定を表す。「言うそうだ/言っているようだ」

意訳

わたしの庵は都の東南で、こんなふうに(のんびり)暮らしている。

しかし人は、わたしが世間を嫌ってこの宇治山に逃れ住んでいると言っているようだ。

201607宇治山

厭世感からの隠遁生活――というとちょっとかっこよさげだけど、私はただ気楽にのんびり暮らしているだけさ(笑)、というわけです(^^)

通算で51字を学びました。

■■■■■

きょうの自運

20160727ペン自運「中原中也」

硬筆書写検定の解答用紙(コピー)に書いています。

それではまた(^^)/