書蒼28年9月号 かな半紙

かな半紙の課題は初段から四段まで『高野切第三種』の臨書が続きます。9月号は歌番号986でした。

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左:『高野切第三種』法帖  右:形臨

古筆臨書の稽古法をいろいろと試行錯誤してきましたが、この頃はだいぶやり方が定まってきました。

やはり、最初にしばらくロール紙に書いてみるのがよいようです。つるつるのロール紙で、紙の摩擦が利用できない状態でしばらく書きます。法帖の原本もみながら、120%拡大コピーをすぐとなりに置いて臨書しています。

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120%の拡大臨書のあとに原寸大の臨書もしますが、提出は拡大版の方でよいということなので、前回からそうしています。

写真には写っていませんが、拡大コピーはもうひとつ150%というのを用意して傍らに置き、細部を観察しつつ臨書をしています。

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書道と水泳  書道も「ドリル」が必要

水泳ではよく「ドリル」というのをします。水泳の一連の動きの中から一部分を取り上げて、それだけを集中的に訓練するものです。たとえば、脚にプルブイという浮力のある道具をはさんで手だけでクロールをすることで、プル(かき)だけに意識を集中し、プルの技術を高めていく――といったことです。

水泳の動きというのは、人間が日常的にはとらない動作ばかりの組み合わなので、連続する動きのすべてを一度に覚えようとしても無理があります。そこで、動作をいくつにも分解して、一つ一つの動作を覚えていき、覚えた動作を組み合わせることで一つの泳法を身につけていくわけです。

この「分解ドリル」は書道でも必要な訓練法だと思います。かつては毛筆で字を書くというのは人間にとって日常動作の一つであったわけですが、今ではもう違います。同じ「書く」という動詞で表現していますが、硬筆で書くのと毛筆で書くのとは、かなり違った動きになりますよね。

日常動作としての「書く」動作と、毛筆書道のそれはかなり違っていますから、事情は水泳と似ています。動作を分解して覚えていく「ドリル」がやはり必要でしょう。

上の例でいえば「ひ」をまず何度も書いてみる。次に連綿になっている「とふる」を何度も書いてみる。そして「ひ+とふる」を書いてみる――というふうに、動作を分解して覚えていき、それを組み合わせていく――それが、遠回りのようで結局はいちばんの近道のような気がします(^^)

986は後日、「古筆を学ぶ」で読みの勉強もする予定です。

それではまた(^^)/