[毛筆書写検定]3 3級試験の内容をみる(3)

日本書写技能検定協会のウェブサイトには、検定各級の「試験の程度」について簡単に書かれています。3級は――、

毛(硬)筆書写一般の基礎的技術及び知識をもって書くことができる。

となっています。大人としてまあ恥ずかしくないくらいには書けるし知識もある、ということになるでしょうか。

これが2級になると「専門的技術及び知識をもって」というふうに表現が変わります。これはもう「本気で書道・ペン字をやってます」モードですね。

というわけで、一般的には3級を取っておけば、就職先などへのアピール(^^)としてまず十分ではないかと個人的には思います。

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その3級の理論問題を、硬筆の方も一緒にみていきます。

硬毛とも第六問までが実技問題、第七問から理論問題になります。

理論問題

毛筆 第七問 漢字の部分の名称を答える。

201508毛筆検定理論第七問

『毛筆書写検定ガイド (3・4級)』より

硬筆の方も体裁が少し違うだけで、形式も問題数も同じです。

硬筆 第七問 漢字の部分の名称を答える。

201508硬筆検定理論第七問

『硬筆書写技能検定3級合格のポイント』より

『毛筆書写検定ガイド (3・4級)』『硬筆書写技能検定3級合格のポイント』ともに、漢字の部分の名称の一覧表が付録として掲載されています。

201608漢字の部分一覧表

こういった一覧表を利用してとにかく暗記していくわけですが、表の中にはすでに答えられるものもかなりあると思います。多少の個人差はあるでしょうが、学校で普通に国語の勉強をしてきた人なら、初めて聞く名称は――ほんのちょっと、というわけにはいきませんが、嫌になるほどたくさんはなかろうと思います(^^)

ただ、大人ならたいてい知っている――というようなものばかりはやはり出題されません。試験作成の先生方が「この名称は知らない人も多かろう」と思われるものが半分くらいは出るのではないでしょうか。「これ知らなかった」というものはちゃんと覚えて試験に臨みたいですね。

全体に覚える数は多くありませんし、勉強しておけば誰でも答えられる「サービス問題」ですから、手を抜かずに全問正解をめざしたいところです。

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毛筆 第八問  漢字の筆順の正誤を答える。

201508毛筆検定理論第八問

硬筆 第八問  漢字の筆順の正誤を答える。

201508硬筆検定理論第八問

書かれている字が毛筆か硬筆かの違いだけです。

常用漢字(平成22年に1945字から2136字に増えました)から出題されます。学校で習った一通りの筆順を知っていれば答えられる問題だけになっています。

なぜそこを強調するかというと、学校では教えていなくても正しいとされる筆順はありまして、2級以上ではそういう問題も出るものですから。たとえば――、

201608『漢字筆順ハンドブック』

これは『漢字筆順ハンドブック』という本の一ページですが、「浅」「栓」「戦」などは二通り、「専」は三通りの筆順が掲載されています。どれも正しい筆順とされているものです。

このように筆順が複数ある字も、3級では「学校で教えている以外の筆順」は出題されない――ということになります。

また、3級は楷書の筆順のみです。行書になると筆順が変わる字がありますが、行書の筆順は2級以上で出題されます。

筆順は自信がない――という方は多いかもしれませんね。私もあまり自信がなくて、3級の理論問題ではこの勉強にいちばん時間をかけたように記憶しています(^_^;

3級受験当時、参考書はこれだけを使っていました。

201608『漢字筆順ハンドブック』外観

『漢字筆順ハンドブック』(江守賢治先生・著)

日本語教員時代に買って持っていた本で、かれこれ二十年以上もお世話になっています。筆順のバイブル!と断言してしまいます(^^)

楷書の筆順だけですが、3級までなら十分ですし、大きな本ではないので引くのも楽です。手元に置いて、筆順に悩んだらすぐ調べる――そういう習慣をつければ、だんだん筆順に自信がついてくると思います。

なお写真は旧版のものです。常用漢字表の改定を受けて新版は装丁も新しくなっています。

2級以上も受けていくつもりなら、行書の筆順も調べられるこういう字典があった方がよいでしょう。

201608『楷行草筆順字体字典』

『楷行草 筆順・字体字典』(江守賢治先生・編)

私も、2級以上も受けていこうと決めた時にこれを買いました。楷行草のみならず、旧字体の筆順まで調べることができます。「筆順のバイブル」のさらにさらに詳しい版(^^)ですね。

さて、いつもご紹介している岡田先生の筆順字典も素晴らしい字典なのですが、用途が微妙に違います。

201509岡田崇花先生字典1

201608『漢字筆順字典』

『楷・行・草 漢字筆順字典』(岡田崇花先生・編)

こちらの字典は、筆順は一種類のみの掲載です。ふだん使う筆順字典としては(正しい一つの筆順がわかればよいので)まったく問題ありませんが、検定試験の勉強として、その字に複数の筆順があるのかどうかは、江守先生の字典でないと調べることができません。

『書蒼』で勉強中なら岡田先生の字典は必須だと思います。加えて検定も1級まで受けていくぞ!という方としては、江守先生の字典も持っておくのがベスト、ということになるでしょうか。お金かかりますけど(^_^;

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二つの理論問題だけで長くなってしまいました。残りの理論問題は次回ということでm(_ _)m

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きょうの自運(草書かな交じり)

20160819ペン自運「藤田耕雪」

硬筆書写検定の解答用紙(コピー)に書いています。

週末、楽しくお過ごしください。それではまた(^^)/