硬筆書写検定準1級・1級の第九問は問題Aと問題Bとに別れていて、次のような構成になっています。
準1級はA・Bともに書道史の問題で、Aはこのようなマルバツ式――、
Bは下のように古典作品の筆者を答える問題か――、
あるいは作品の書かれた時代を答える問題になっています。
1級の方は書道史の問題はBのみで、Aは下のように、初級者が書いたという想定の漢字を添削指導する問題になっています。よくない部分を矢印で指摘し、修正した形を下のマスに書き込みます。
このように準1級ではABともに書道史の問題ですが、1級ではBのみで、準1級の方が書道史の問題量は多くなっています。
検定対策の勉強としては概論的な知識を得ておけば十分でしょうが、それにしても覚えるべきことはかなりあります。試験直前の付け焼き刃的な学習で何とかなるほど学ぶべき範囲は狭くありません。
いちばんよいのは、書道史の本を身近に置いて日頃から少しずつ目を通し、作品の姿や名、書家の名前などをこつこつ記憶に残していくことだと思います。
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硬筆検定の2級を受けるあたりから書道史の勉強もしておかなくちゃと思うようになり、ネットで情報を集めつつ、よさそうな本はまず図書館で借りて内容を確認してみたりした結果、私はこの3冊が主な参考書になっています。
右:『字と書の歴史』
『字と書の歴史』は160ページと通読しやすい本で、江守賢治先生が書写検定の受験者を対象に、中国と日本の書道史をコンパクトにまとめてくださっています。一冊だけというなら、迷わずこの本をおすすめします。
江守先生の本で書道史の流れを大きくつかんだら、次は『すぐわかる 中国の書』もなかなかよい本です。中国書道史の時代ごとの特徴をわかりやすくまとめつつ、古典作品を一つ一つ写真や図版をふんだんに使って解説してくれています。
これを読んで唐の時代あたりまできたら、
『すぐわかる 日本の書』も併読しはじめる――こんなふうに勉強すれば、書写検定対策として十分以上の知識が身につくのではないかと思います。
問題は選択式なので、作品や書家の名前をそらで書けるようにまでしておく必要はありませんが、作品写真を見て、どの時代の誰が書いた何と呼ばれる作品か、どんな特徴があるか――など、おおまかにでも人に説明できるくらいにはしていきたいと思っています。
なお、私は三冊ともくりかえし通読していますが、作品名や筆者名などを一所懸命に暗記するような勉強は一度もしていません。ひたすら暗記するというのは苦手なんですよね(^_^; 興味のある読み物をくりかえし読み、あるいはそれについて書いているうちに、内容が自然と記憶されてくる――という感じが好きです(^^)
それではまた(^^)/