ペンで散らし書き 5 942 よのなかは

硬筆書写検定1級・準1級の受験対策の一環として、ペンで和歌の散らし書きの稽古をしています。

前回の試験の不合格通知で「全体構成がよろしくない」と指摘され、構成を変更しての再出発であります(^_^;

試験では「どの構成にしようか」なんて考えているヒマはないので、一つの構成を学んでおき、どんな課題が出てもそれでいく――ことにしています(今後、余裕があれば他の構成も学んでみたいとは思っていますが)。

選んだ構成は、野球でいえば巨人、力士でいえば大鵬、料理でいえば卵焼き……、

( ̄ー ̄)ゞ世代がわかる(笑)

……歌手なら美空ひばり、フォークソングなら『神田川』……、演歌なら『津軽海峡……

( ̄ー ̄)ゞわかったわかった(笑)

……というほどに、散らし書き界の代表選手であります『寸松庵色紙』の――

201604-1寸松庵色紙46

この構成がきちんと再現できれば「全体構成」にダメ出しが出ることもない!はずです(そう願いたい)(^^)

というわけで、これまで「ペンで散らし書き」してきた四首の歌をこの構成で書き直し、新たな一首も書きまして、4月16日(土)、谷先生の池袋教室でご指導いただきました。

201604ペン散らし書き添削たっぷり朱が……(^_^; いつものように丁寧かつ具体的にじっくり教えていただきました。

気づいていなかった注意事項もいろいろありました。独学だとずっと気づかなかったろうなあ、と思うようなこともありました。通える範囲に教室のある幸せ……。

◇◇◇

指導を受けたポイントに留意して、「ペンで散らし書き」にこれまで掲載した四首をまず書き直します。法帖の行書き、ペンでの散らし書きの順に掲載します。

『高野切第三種』940 あはれてふ

201604高野切第三種940あはれてふ手本

201604古筆ペン散らし書き940あはれてふ1

(行書き)

あはれて ことのはことに くつゆは むしをこふる みたなり

(散らし書き)

あはれて ことのはことに くつゆ しをこふる みたなり

散らし書きでは絵画的・デザイン的な美しさや調和を求めて仮名の選択にも気を使います。

行書きでの仮名遣いどおりだと1・2行目の行末に「は」が並んでうるさくなるので、2行目の方は「八」にしました。

最後の一文字は「エンディング感」(^^)を出すためにタテ線が下に伸びる「利」でなく、ヨコ線で終わる「里」にしてみました。

ちなみに、最後の一文字だけ独立して書かれる理由ですが……、こうしてみるとよくわかると思います。

201604古筆ペン散らし書き940あはれてふ2

これでは左に倒れてしまいそうで、構図的に不安定ですよね。最後の一字が全体の傾きを支えていることがわかります。傾きによって動きを演出しながら、最後の一字の支えで全体として安定感も出すという、欲張りな(笑)テクニックですね。

◇◇◇

『高野切第三種』941 よのなかの

201604高野切第三種941よのなかの手本

201604古筆ペン散らし書き941よのなかの1

(行書き)

の うき毛徒らきも つけ那久に ましるのは なみ多那介利

(散らし書き)

の うき毛徒らきも つけ那久に ましるのは なみ多那

こちらは最後の「利」を「里」としたのみです。

谷先生にみていただいたものは少し字が大きいものが多く、行間が窮屈でした。手直しで少しだけ字を小さくはしたのですが、もうちょっと小さくしてもいいかもしれません。

◇◇◇

『高野切第三種』965 ありはてぬ

201604高野切第三種965ありはてぬ手本

201604古筆ペン散らし書き965ありはてぬ1

(行書き)

ありはてぬ いちままに ほと多尓も うきことしけ おもはもかな

(散らし書き)

ありはてぬ いちままに ほと多尓 うきことし おもはもか

2行目の最初に「ま」、3行目の最初に「も」がきます。似たイメージの字が並ぶのを避け、3行目の「も」を「母」にしました。

3行目の行末「け」を「介」にしました。行末の字は下に流れていく字(「し」「り」など)は避けた方がよいとのことです。「介」は書きようで収筆を真下に向かわせずに書くことができるので行末でも使えますね。

「エンディング感」の関係で(笑)、最後の一字を「奈」にしました。

◇◇◇

『高野切第三種』966 つくはねの

201604高野切第三種966つくはねの手本

201604古筆ペン散らし書き966つくはねの1

(行書き)

くはねの こ能毛可のもに よる はるのみやまの けをこひつゝ

(散らし書き)

くはねの こ能毛可もに よる はるのみやまの けをこひつ

行書きの方は「の」が多く、散らし書きでもすべて「の」にしてしまうと――

201604古筆ペン散らし書き966つくはねの2

「の」ばかり目立ってかなりうるさくなります。円形に大きく書かれる「の」は存在感があって目立ちます。「の」はヤマ場をつくれる字だと思いますが、それゆえ一つの散らし書きの中で何度も使うことはできませんね。

4行目の最初は「可」だと画数が少なく小さいため、存在感のある「か」にしてみました。

行書きの最後はおどり字(ゝ)ですが、全体の傾きを支えるには小さすぎるので「徒」にしました。

◇◇◇

なお、以前は法帖を縮小コピーして切り貼りしたお手本をつくっていましたが――、

201512古筆ペン 散らし書き940あはれてふ手本――行書きでまっすぐ書かれた文字列を斜めに貼るのは変なのでやめ、法帖を直接みて書きぶりだけを参考に書くことにしました。主に『高野切第三種』の書きぶりに倣(なら)いつつも、字典をみて他の古筆切の方に使いたい形があった場合はこだわりなく使っていきます。谷先生もそれでよいとおっしゃっていました。

◇◇◇

最後に、古今和歌集942を書きます。ペンで散らし書きするのは今回が初めてです。

『高野切第三種』942 よのなかは

201604高野切第三種942よのなかは手本201604古筆ペン散らし書き942よのなかは1(行書き)

那可は ゆめ うつゝと ゆめとしら ありてなけれ

(散らし書き)

那可は ゆめ うつゝと しら ありてなけれ

最後の1字は「者」でもよい気がしますが、ヨコ線が張り出して安定感のある「盤」にしてみました。

以上、「ペンで散らし書き」、仕切り直して再出発の一回目でした(^^)


■■■ 草書学習記録 4/9(金)■■■

26日目の48字テスト。

20160409草書学習1

 姪  室  握  屋  至  柔

 致  言  盛  成  窒  到

 源  原  減  感  咸  誠

 埼  崎  奇  河  何  可

 典  曲  研  形  刑  開

 敏  梅  海  毎  苺  母

 古  尾  毛  届  展  厘

 出  尻  尼  尿  水  居

「屈・局・方・戻・羽・扇」を学習。通算162字。

20160408草書学習2


それではまた(^^)/