デスクペンのお話

デスクペンについてちょっと書いておこうかな、と思います。

デスクペン――ペン習字をやっていない人には、あまり馴染みがないかもしれません。私も、ペン習字を始めるまでは使ったことがありませんでした。

ひとことでいえば、安価な卓上用万年筆、ということになるでしょうか。一部を除いてニプ(ペン先)は鉄製で、ペン軸やキャップも安い材質のものを使った簡素な造りになっていますが、基本的な構造は万年筆と変わらず、かつては事務などで幅広く使われていたようです。

201509デスクペンと万年筆各社のデスクペンと万年筆

パイロット、プラチナ、セーラーとも製品を出している中で、販売にいちばん力を入れているのはパイロットでしょう。「ペン習字ペン」と名付けられた定価500円(税抜)の製品から始まり、700円、1000円、2000円、5000円とラインナップされています。

ペン先の太さは製品によりEF(極細)、F(細)、M(中字)が用意されています。ペン習字用としてはEFまたはFを選ぶ人が多いようです。Mも持っていますが、字の形だけでなく線質もチェックされるペン習字では、線が太くなりすぎて向かないように思います。

パイロット製品がやはり最も入手しやすく、プラチナ、セーラーは大型の文具店に行っても品揃えがなかったりします。特にセーラーは売る気ないのかよとツッコミを入れたくなるほど(笑)、入手しにくいです。文具店をあちこち探すより、ネット通販を利用した方がてっとり早いと思います。

私もまずはパイロット製品を購入しました。700円のものを最初しばらく使いました。でもちょっとガリガリ感が強く、紙質によっては、下手に書くと削って穴を開けてしまうこともあります。

価格が上がるとどんな書き味になってくるか知りたくなり、1000円、2000円と購入していきました。価格は正直なもので、700円ではガリガリした書き味が、1000円ではカリカリ、2000円だとサリサリくらいになってきます(書き味はもちろん太さでも変わりますが)。

本気でペン習字を続けていく気になったら、定価2000円(ネットで実売1600円ほど)のDPN200B-EFかFを買ってしまうとよいと思います。なめらか感と、ペン習字では必要になる(と私が思う)少々のひっかかり感(抵抗感)のバランスがよい製品です。5000円の製品は友人が持っていて使わせてもらったことがありますが、自分では買っていません。これに限っては金ペンで、サリサリを越えて高級万年筆的なヌラヌラ感が出てきます。同じ価格帯の廉価版の万年筆より書き味はいいかもしれません。でも、ペン習字用には合わない気もします。

特に、ハネや折れのメリハリをつける必要のある楷書には、DPN-200あたりがベストマッチではないかと思います。

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プラチナは二種類、定価1000円(税抜)のDP-1000ANと、800円のカーボンペン DP-800を所有。プラチナはこれらを「極細」とうたっています。パイロットのEF相当、あるいはより細いかもしれません。特にカーボンペンの方は明らかに細いです。カーボンペンは、水に溶けないカーボンインクを使うための専用ペンです。性の染料系インクを使うデスクペンが大部分ですが、耐水性や耐光性は強くありません。顔料系インクは、いちど乾くと水に流れない、黒々と発色がよい、耐光性も強い(書いたものを明るい場所に置き続けても色あせしにくい)等の特長があります。長く保存したい書類を書くのに向いていますね。

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セーラーは1000円(税抜)の一種類しか出していないようです。一番やる気がない感じ(笑)。町の文具店ではプラチナ以上に見つかりません。最初はセーラーは出していないのかと思っていたくらいです。前にいたペン習字団体の展覧会場で売られていて初めて存在を知り、購入しました。

※この製品は廃番になりました。(28年5月30日追記)

201605セーラーデスクペン

セーラー デスクペン

パイロットやプラチナの製品と比較するとニプ(ペン先)の剛性感が低く、最初はちょっと違和感がありました。

しかし、使っているうちにその「なよなよ感」にだんだん慣れていきました。首が弱いので自然にペンの扱いがやさしくなるようです。筆圧を強くかけない習慣がついてくるんですね。

習いはじめには、先生から筆圧が強すぎると注意される人も多いと思います。私もそうでしたが、このセーラーを使っていると自然に矯正されてくる感じがあります。

自由に操れるようになれば「なよなよ感」もまた楽しく、今ではデスクペンでは一番のお気に入りになってしまいました(^^)

セーラーは「極黒(きわぐろ)」という顔料系インクを出しており、これまた非常に気に入っています。

普通のデスクペンや万年筆に顔料系インクを入れると中で固まってペンが完全に死んでしまいます。だからプラチナではカーボンインク専用ペンを用意しているわけですが、この「極黒」はペンを選ばないすごい奴なんです。

「ナノインク」といって、インクの粒子を非常に細かくして、目詰まりを起こさないようにしたもののようです。性質はプラチナのカーボンインク同様です。定価2000円(税抜)で、ネットの実売1400~1500円ほど。インクとしてはかなり高いものですが、黒々と書けて、乾くと強い耐久性があり、非常に人気の高い製品です。

顔料系なのに普通のデスクペンや万年筆で使えるというのは画期的なことで、私は他社のデスクペン・万年筆にもこれを入れています。他社製品には使用しないでください、という注意書きがありますが、パイロットでもプラチナでも今のところ問題は起こっていません。但し使用の際は自己責任でお願いしますね(^^;

201509いろいろなインク

(英語の「ink」を日本ではインクと言ったりインキと言ったりしています。私もこのブログでどちらも使っているかもしれません。ちなみにパイロットは製品名に「インキ」を、プラチナ、セーラーは「インク」を使っています。)

その後つけペンが好きになり、課題ではほとんどデスクペンを使わなくなりましたが、日常的には万年筆とともに今でもよく使っています。

デスクペンについてちょっと書いてみました。それではまた(^^)/

こちらにデスクペン情報を追加しています。28年5月30日追記)