五島美術館で秀吉の消息をみる

「検定のあとで五島美術館に行くんだけど、一緒にどう?」

硬筆書写検定を一緒に受験した友人にこう誘われておりました。

世田谷は上野毛(かみのげ)の五島美術館で「茶道具取り合わせ展」が開催されているから検定のあとで観にいくというのであります。今回3級を受けた友人もその友人もペン習字歴は半年ほどですが、茶道歴は二十年以上という人たちなのです。

五島美術館といえば古筆の所蔵でも有名な美術館です。所蔵していても観られるのは古筆の展覧会のときだけでしょうが、近くまできたついでにいちど行ってみようかと、ついていくことにしました。

201601五島美術館1上野毛駅

検定試験会場の最寄り駅から一本、20分ほどで上野毛駅に到着。

201601五島美術館2住宅街

駅を出て目の前の環状八号線を渡り、多摩川に向かう下り坂をちょっと下って右に入ると、閑静な住宅街が広がっています。突き当たりに五島美術館の一部が見えています。駅から5分ほどの近さです。

201601五島美術館3

201601五島美術館4

到着。静かだ。ひとけがない……。

入ってみるとけっこう見学者がいましたが(^^)

友人とその友人は、展示されている茶道具の前で長々と、門外漢の私にはチンプンカンプンな会話を続けております。ちと退屈(^_^;

茶道具はほとんど流し見るだけで通り過ぎた私でしたが、ある展示ではたと足が止まりました。

豊臣秀吉消息 おね宛(桃山時代・16世紀)

「消息」というのは手紙のことです。「手紙」はどうもかなり新しい言葉のようで、歴史的には「消息」とか「ふみ(文)」といわれてきたようですね。

ちなみに「消息」というと和文体の手紙をさし、漢文体の書簡は「尺牘 ( せきとく) 」とよぶそうです。

 

館内は撮影禁止なのでお見せできませんが、以前にご紹介したEテレの「「趣味どきっ! 女と男の素顔の書―石川九楊の臨書入門」でやはり秀吉の消息が紹介されていました。

2015NHK臨書入門

番組で紹介された秀吉の消息はこれなのですが――、

2016011秀吉消息おね宛

この中の

2016011秀吉「かへすかへす久しく」

ゝゝ久しく」(かへすかへす久しく)

この「可へ春ゝゝ」の文言は展示品にもありました。ただ、この文言は秀吉の他の消息にも出てくるようなので、同じものだったかどうか、はっきりしません(^_^;

写真の消息は秀吉が正室のおねに小田原攻めの戦況を伝えながら、なかなか手紙を書いてくれないおねに「返事をくだされ」とお願いしているという内容であります。秀吉はたいへん筆まめな人だったそうですが、おねさんは筆不精だったんでしょうか(笑)。

◇◇◇

茶道具の方はみてもその価値がわかりませんでしたが、こうして歴史上の人物の直筆をみられたのは収穫でした。気取りのない自由奔放な筆跡をみて親近感がわきました(^^)

ほかに、秀吉に切腹させられた千利休の、やはりおねに宛てた消息などもみてきました。武将の秀吉よりも太くて力強い線質だったのが少し意外でした。

歴史上の人物も、その筆跡をみてみると人物像により近づけそうな気がします。

◇◇◇

五島美術館の年間スケジュールを見ると、古筆の展覧会は今秋10月下旬から開かれるようです。おお!楽しみだ!絶対に行かねばっ!

それではまた~(^^)/