ペンで散らし書き 1 940 あはれてふ 

硬筆書写検定1級には自由作品の問題があります。

201512硬筆書写検定第5問

第五問。和歌・漢詩・現代詩から一つを選んで自運します。

検定1級は数年前にいちど受けて玉砕しております(^_^; そのときは現代詩を選びましたが、古筆臨書の勉強を始めたこともあり、この問題は和歌で挑戦していこうと考えています。

自由作品では字形や線質だけでなく、全体の構成力も審査されます。和歌は「散らし書き」で構成していくことになります。

散らし書きとは?

201512古筆散らし書きの例 寸松庵色紙『寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)』

勉強中の『高野切第三種』や『粘葉本和漢朗詠集』とは違って、行の長さや字間・行間をそろえず、文字列を自由に配置しています。このような書き方を「散らし書き」といいます。

『高野切』のように一行ずつ同じ長さで並べて書いていく書き方を「行書き」とよびます。

和歌ではありませんが、『書蒼』のかな半紙課題(4~1級)も散らし書きですね。

上の『寸松庵色紙』の散らし書きをみると、文字の大小や線の太細から、言葉のリズムや強弱が伝わってくるような気がします。また、右下の大きめの文字列の塊は手前に、左上の小さめの塊は後方にあるようにも見えます。複雑な奥行き感のある絵画的な構成になっています。

◇◇◇

第五問の自由作品は、この散らし書きで挑戦していくことにします。毛筆での『高野切第三種』の臨書の勉強に合わせて、ペンでも稽古していきたいと思います。

古今和歌集940「あはれてふ」から始めます。

(変体仮名の読み方や和歌の内容については「古筆をまなぶ」でふれています。)

まず、散らし書き用のお手本を作ります。

201512古筆ペン 散らし書き940あはれてふ手本

原寸大に複写したものを切り貼りしました。

自由作品では、自分で寸法を決めて鉛筆で枠を書くことになっています。とりあえず13×17cmの枠にしてみました。

上の構成は、古筆の散らし書きをいろいろみていて「かっこいいな!」とビビッときたものです(^^) 試験中に構成を考えているヒマはないので、この構成でやると決めて稽古していくことにします。

◇◇◇

臨書の稽古を始めます。検定試験でこれまでも使ってきたセーラーのデスクペンで書いています。201512古筆ペン散らし書き940あはれてふ臨書1

あはれて ことのはことに 

くつゆは むしをこふる なり

◇◇◇

次に、違う変体仮名も使ってみます。すべて『高野切第三種』に現れた形にならっています。

和歌の問題文は漢字仮名交じり文になっていますが、そのとおりの文字遣いをする必要はありません。変体仮名をまぜてよい、ともあります。わざわざそう書くのですから、これは「できれば使いなさい」ということだと思います(^^)

201512古筆ペン散らし書き940あはれてふ臨書2

はれて このはこと

おくつゆは む可志をこふる な美多那りけり

ちょっと変体仮名が多すぎたかもしれません(^_^;

また、「ことのはごとに」の「に」を「尓」にしたのは失敗だったようです。元の、大きめに書いたひらがなの「に」の方が、どっしりとした安定感があってよいように思います。

◇◇◇

もうひとつ書いてみます。

201512古筆ペン散らし書き940あはれてふ臨書3

れてふ ことのことに

おく む可志乎こふる なり

これも、調子に乗って変体仮名を増やしすぎたかも(^_^;

ちゃんと書けていれば多くてもいいんでしょうが、使いすぎてもなんだかくどい感じです。変体仮名はどのくらいまぜたらいいんでしょうね。

『高野切第三種』や『粘葉本和漢朗詠集』では、一首に5~6字くらい使っている例が多いように思います。このあたりを基準にしておこうかと思います。

「者(は)」を2行目と3行目で連続で使ったのは失敗でした。一つはひらがなの「は」にして変化を出すべきだったと思います。

◇◇◇

さて、当然ながら形臨だけで勉強は終わりません。お手本なしで自運できなければいけない!のです。えらいこっちゃ!(汗)

201512古筆ペン散らし書き940あはれてふ練習ノート

しばらく形臨と背臨を繰り返しまして――、

201512古筆ペン散らし書き940あはれてふ背臨1

背臨

出来についてはノーコメントでございます。精進していきます(^_^;

ふ~、散らし書き、てごわいぞっ( • ̀ω•́ )

財津一郎きびしい

(* ̄ー ̄) う~む……

松岡修造1

( ̄ー ̄)v おおっ!熱い!

それではまた~(^^)/